ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜

2節 軽い言葉

「はぁ〜。」

杉山は病院の屋上から町を見下ろしながらため息をついていた。

「ほんと、なんでこんな所にいるんだろう…。」

ついさっき待合室で言われた言葉を思い出して無意識に呟くと、
フェンスに背中を預け、またため息を一つついた。


夏季甲子園大会の敗退の後、主力の3年生が引退し新チームでのぞんだ秋季大会に準優勝し、春の選抜大会の切符をなんとか手にし、その中心に確かにいたはずの杉山だが…。
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