ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜
「なんで、杉山が甲子園にいなくてここにいるのよ?」

『!?』

杉山の視線の先には隣の点滴台の男の子。


「のよ?…………えっ、女!?」

杉山は思わず指を指した。


『バチン!』

近くの週末誌が杉山の顔面を襲った。

「………って………何すんだよ。」

杉山が痛さから復活し再び顔を上げた時、ボーイッシュな女の子の姿はなかった。


『男じゃなかったんだ…。ってか、俺を知っている…ん、呼び捨て!?年下だろ!?』

杉山は妙な事で混乱していた。

杉山の視線の先には、人気がなく静かで薄暗い病院の廊下だけがあった。
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