ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜
藤崎は、無言の奈月にハンカチを渡すと、肩に手をのせた。

「充君は、わかってるよ。だって、命の重さをあんなに感じている…。奈月ちゃんの病気の全部を知っているわけじゃないけど、その苦しみからの行動って事を…。だから、怒らないでしょ?」。


奈月は黙って頷いて遠くに見える手術室の入り口を見た。
まだ、手術中のランプは点ったままの……。
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