ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜
「もう…、やだ…。」

涙目の奈月は、堤防を歩いていた。

初秋の河原では、コオロギがリズムを奏でており、
川面には夕日が当たり鮮やかなプリズムを反射させていた。



「…………………。」


そんな光景をしばらく見つめた後、
河原に向かって奈月は、
昨夜の事を思い出しながら、
堤防の斜面を下り始めた。
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