ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜
「……チャンスを僕が潰したんです…。みんなに申し訳ないです…。」

試合後、涙ながらに杉山はインタビューに答えた。


再三のチャンスで打撃練習をこのところしていない杉山に打席がまわって凡打していた。

杉山は敗戦の責任は自分にあると感じていたのだ。


「また連れてきて貰えたらその時は………。」

杉山の声はだんだんと声にならなくなっていた。



翌年の春、杉山の視線の先には甲子園大会を中継するテレビがあった。
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