━ Are You Happy ? ━

■コンナコト





そのまま翔のクラスに行った


昼休み中の教室


ひとり窓際でパンをかじる翔を見つけ

視線でこっちに呼び掛けた





ドアにもたれた私に気付くと


パンをくわえ

ミルクティのペットボトルを持って廊下に出て来た翔





『あにひへんの?』

『あげる』








突き付けた高級な紙袋を見ると





『遊びに行くか』








何があったか


それで悟ってくれたんだと思った


結果は違ったんだけど








『お前も鞄取って来いよ』





翔はサボる気まんまんで


つられて一緒に門を乗り越えた








『腹は?』


『減ってない』


『どこ行く?』


『どこでもいい』


『何したい?』


『なんでもいい』








優柔不断

ってか、むしろ投げやりな私の態度に文句も言わず

横に並んで歩いて





この前と同じ電車に乗って

この前と同じ駅で降りて


この前来た

翔んちに辿り着いて。








マンションのエレベーターホールで翔が


『怖い?』


って聞いたけど





何のコトかわかんなかった


なんで?


私が翔を怖がるの…?





多分

私の目がそう聞いたんだと思う





『お前さ…
もっと警戒しろよな…』


エレベーターの中


急に

私を壁に押し当て

顔を近付けた翔…





『コンナコト されても文句言えねーぞ?』





それでも

怖くなんてなかった


だって


翔 だもん…




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