━ Are You Happy ? ━

■堕ちる太陽


リュウの部屋を飛び出して

電車に乗ったはいいけど


キャミソールとミニスカから

大いに露出した肌には


かまいたち に付けられたような
無数の切り傷と血の痕


それに向けられる乗客の視線に耐え兼ね


一駅で飛び降りた








そこは

偶然にも翔の最寄駅で


知らず知らずのうちに


私は夕陽を背に


翔の家を目指し


歩いた














翔ん家のインターホンを押すと

お母さん らしき人の返答があって


どうしようかと悩んだ


『……翔くん…いますか…』





だけど

こんな姿を曝し

縋れるのは


翔しかいなかった


.


しばらくドアの前で待たされると


『…なんだ…お前か…』


翔が顔を出す





久しぶりに聞いたその声は


私に安息を与え


それは直ぐさま


涙となり零れる





『ちょっと待ってろ…』


閉まったドアの前


ぽたぽたと落ちる涙の行方だけを見て


翔を待つ














翔を待ってるうちに


陽が落ちた街は


薄暗く


更に私の気分を沈めた



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