いちごみるく


「あ、苺顔赤い」

またにやにやして言ってくる里桜をちょっと遠慮がちに睨んでみる。

「はいはい、行こう」

頭をおっきい翔の手でぽんぽんとされる。

翔は私の手を自然につかむと歩き出す。

その、当たり前のような行動にも照れくささを感じてしまう。

まだ慣れない私がお子ちゃまなのだろうか…。

少しだけ後ろで翔の背中を見つめながら歩いた。

帰り道、里桜達と別れてから2人で坂道を下る。
私の家と翔の家は方向が真逆なのに、毎日送ってくれる。
『迷惑だからいいよ』
時々、申し訳なくて言ってはみるものの、
『ひとりで帰らせて襲われた方が迷惑』
と、軽くあしらわれて終わる。


まだ信じられないけど、そういった行動を見ると……、愛してもらってるんだなって真っ直ぐに伝わってきて……。


きゅうと、胸が締め付けられる。













.
< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

あなたと私
yuuna†/著

総文字数/4,141

恋愛(その他)13ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「すき」 何度呟いただろう。 「愛してる」 何度心で叫んだだろう。 「…優太」 何度背中越しに呼んだだろう。 あなたは、 届かない人。 あなたは、 私が愛した人。 そして、あなたは… ―――先生。 あなたの全てに恋をした。 あの17歳の、春。 あの時から 私の世界が変わった。 そう、あなたは 私の先生。 私の好きな人。 私の愛した人。 ――生涯たった一人の。 ■□■□■□■□■□■ Since.2011.0814~
誘惑Baby
yuuna†/著

総文字数/26,059

恋愛(純愛)78ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
君はいつも俺を 惑わせる。 「ねぇ、ちゅ-しよ!」 「ぇっあ…//」 お願いだから 誘惑しないで… 愛してやまない彼女 中谷優子(ナカタニ ユウコ) 18歳 大学生 彼女に夢中な俺 杉浦陽平(スギウラ ヨウヘイ) 21歳 大学生 君は 俺の心を奪ってなお なんで、こんなに 夢中にさせる…? 彼女を愛している いたって普通な 大学生の男の子目線の 物語。 「陽平、ぎゅう」 俺の目の前で 手を広げて微笑むお前は 誘惑Baby…―― ■□■□■□■□■□■ 今回ばかりは 書き上げたいと 思います!! 読んでくれたら 嬉しいです(´;ω;)
いつまでも
yuuna†/著

総文字数/9,027

恋愛(純愛)26ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「おいで、晴…」 まるで歌うように、 あなたは私の名前を呼ぶ。 愛を失った私と、 愛したい彼との、 暖かく甘く切ない物語。 愛してるなんかじゃ 足りないくらい君がすき。 「優哉…だいすき」 ―あなたは私の宝物、 ―お前は俺の宝物。 ―涙の数だけ、 君に恋をした………― □■□■□■□■□■□ 後半、甘い表現アリ 無理な人は Uターン(>_<。)

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop