忠犬彼氏。
「そんなの調べたに決まってます」
樋山(兄)はあんなバカっぽいのに紗耶ちゃんの方は何を考えてるか全然読めない。
「骨の折れる作業でしたけど」
「情報源は?」
あんな情報一体どこから流出してるっていうんだ?
「先輩はハッキングって知ってます?」
ハッキング?
まさか紗耶ちゃんはハッキングして私の過去を調べ上げたって言うの?
「多分先輩が考えてる通りですよ」
紗耶ちゃんにハッキングができるなら、
どこからアドレスが漏れたとか関係ない。
彼女はアドレスもきっとハッキングで探し出した。
「先輩は私にとって邪魔存在でしかない」
「でしょうね」
「稟汰がこんな女に夢中だなんて信じられない」
「それは私のが信じられないけど」
何故柴はここまで私に夢中になれるのかそれはきっと一生の疑問。
「どこまで調べた?」
「多分ほとんどですよ」
そう、ほとんどバレちゃったか。
「紗耶ちゃんが言いたいことはわかる」
「バレちゃいました?」