忠犬彼氏。


「で、どうすんの?ソレ」

「紙袋に入れてー」

「何で紙袋なんて持ち歩いてんのよ」

「焼却炉へ、レッツゴー!」

「燃やすのかよ!」

「美那都、持って行って」

「女王ァァァァ!?」

何その叫び。
意味不明。

「何て冗談に決まって……あ、メール」


「モテモテって大変そー」

「いやぁ華音仕方ないよー
学校一の美人様だしぃ」

「また知らないアドレス……」

「またぁ?」

いい加減にしろっつーの。
ってか私のアドレス流してる奴誰だよ。

「フザケンナァァ!!」

ボキッと携帯が閉じるのと反対方向に折れた。

「うわぁ」
「馬鹿力だ」

「だまらっしゃい!」

ああ折っちゃった……。
親に怒られるかなぁ。

はぁ、嫌だなぁ……。

「これ燃やしてから戻るから先行ってて」

「わかった」
「らじゃっ」


私はそのまま手紙を焼却炉に突っ込み、教室に戻った。

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