百もの、語り。
窺っていると、
やっぱり彼女は浮気をしている。
そう確信しました。
でもわざわざ、自分の誕生日になんて。
……考えたくも無いけれど、
まさか浮気相手は俺の方?
そんな事も考えました。
呆然としていると、
彼女が相手の名前を呼んだんです。
……その名前、俺と同じだったんです。
間違わないように、
同じ名前の男にしてるんだろうかと
そうも勘ぐりましたが、
よく考えたら、浮気なんてする時間無いんですよね。
彼女のバイト、俺の妹の家庭教師だし、
俺のいとこと同じ大学で、すごい仲良くて
いっつも一緒に行動してるし。
空いてる時間全部、俺と過ごしてるし。
それに、気づいたんですよ。
玄関に彼女以外の靴も無かったなって。
どこかに隠してる可能性もあったけど、
彼女の事を信じようと思いました。
今のこの光景は、何かの間違いだと。