百もの、語り。


……でも、どうしよう?

もしかすると、
一度部屋を出て、また入ったら、
何事も無かったように迎えてくれるかもしれない。

よし、そうしよう。


そんな事を思っていると、
布団の中からこっちを見てる顔があったんです。


……俺の、顔でした。



それを見た瞬間、俺は素早くしかし静かに
部屋を後にしました。


プレゼントとケーキは、
その場に置いてきちゃったんですが。



それで次の日、彼女に会うと
ちょっと照れた顔で

『昨日はとっても嬉しかったよ』

そう言ったんです。


プレゼントの事かなと思ったけど、
やっぱり彼女は誕生日を、
俺と過ごしていたみたいなんですよ。

それに他の日も時々、
彼女との記憶が食い違ってるんですよね。


俺、なんか2人いるらしいです。




ふーっっ


26本目の蝋燭が消えました。

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