チャリパイ14~最後のサムライ!
シチローが作戦を立て、ブタマーンとミミガーはその作戦に必要な人材、そしてなぜかダチョウを集める為に町へと飛び出していった。
そんな中、チャリパイのムードメーカーである子豚も動き始めた。
「こうしちゃいられないわ!私も準備を始めなくちゃ!」
「準備って、何始めるの?コブちゃん」
「いいから、ひろきも手伝うのよ!一緒に来なさい!」
両手の袖を捲りながら張り切る子豚は、ひろきを連れて別室へと入っていった。
「コブちゃん、そんなに張り切っていったい何するの?」
いまいち状況を把握出来ないひろきが子豚に説明を求めると、子豚はハイテンション気味に答えた。
「決まってるでしょ!『サムライ』コスを作るのよっ!」
「サムライコス?」
「そうよ!サムライ魂見せるのに、サムライの衣装がなきゃあカッコつかないじゃないの♪」
何事もカタチから入らなければ気がすまない、何とも子豚らしい発想である。
「既に材料は手に入れてあるわ。これでみんなのサムライコスを作るのよ♪」
子豚の手には、膨大な量の布が載っていた。いったいどこでそんなモノを手に入れたのだろうか?
「コブちゃん、それどうしたの?」
「市場で買って来たのよ♪お店の人、私がイベリコだと思って全部タダにしてくれたわ♪」
それは、買って来たとは言わないと思うのだが……
「ふぅ~ん……それで、あたしは何を手伝えばいいの?」
「それじゃ、アンタは旗でも作ってなさいよ」
「旗?」
「そう!よく戦国時代の戦(いくさ)のシーンとかで『風林火山』とか書いた旗持って戦うでしょ?」
「あっ!それ見た事ある♪カッコいいよね、アレ♪」
「でしょ♪どうせやるならカッコ良くやらないとね♪」
作戦の本道からは少し外れたところで、がぜん張り切って準備を始める子豚とひろきの二人。
こうして、チャリパイの『イベリコ救出作戦』の準備は着々と進められていったのであった。
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