チャリパイ14~最後のサムライ!




「イベリコ姫は私の事を誤解していらっしゃる。私とて、国民の幸福を願っていない訳ではありません!
その一番の方法は、この国の経済が成長する事なのです!経済成長の為の最も手っ取り早い手段は戦争による特需景気!すなわち、軍備の拡大は全てこの国の為を思っての事なのですよ!」


戦争を経済成長の道具に使う………
そんな道義に外れた論理に、平和主義者のイベリコが賛同出来る筈が無かった。


「アナタのその理論は、私が思い描くこの国の理想とは全く相反するものです。ですから、アナタを王家の一員に招き入れる事など金輪際無いでしょう」


ブタフィの懸命の熱弁も、イベリコにことごとく全否定されてしまう。そんなイベリコに、ブタフィはさも不服そうに噛みついた。


「私が何を言っても、貴女は全て否定、否定、否定だっ!
そんなに私の事が嫌いですか!」


「ええ……どちらかといえば嫌いです」



「な、なんですと!」



まさか、そんなにハッキリと答えが返ってくるとは思っていなかっただけに、ブタフィは鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしていた。


イベリコにしても、そこまでハッキリ言うつもりは無かったのだが、あまりに自己中心的なブタフィの語りぶりにうんざりしてしまい、つい本音が出てしまった。


「あ~~そうですか!姫は私の事が大嫌いなんだ!だったら誰がいいんだ!
あの『ロース』とかいう若造がいいのか!」


すると、ブタフィの口から発せられた『ロース』という名前を聞いた途端、今まで冷静だったイベリコの態度は急変した。








「だったらどうしたって言うのっ!ロースを殺したのはアナタじゃない!」



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