チャリパイ14~最後のサムライ!




ピイィィィーーーーーーッ!



突然、空気を切り裂くような甲高い音が、シチローのすぐ後ろで鳴り響いた。


シチローが驚いて振り返ると、そこには、首から下げたホイッスルを力一杯吹くイベリコの姿が見えた。


「なにしてるのさ、イベリコ?」


「私に任せてください!」


そう答えると、イベリコは再びホイッスルを力一杯吹いた。


すると……




クゥェェェ~~~~ッ!



宮殿の影の方から、砂埃を巻き上げながら何やら大きな物体がものすごい勢いでシチロー達の方へと近付いてくるではないか!


「なっ!なんだありゃあ~~っ!」


巻き上がる砂埃で最初はそれが何だか分からなかったが、近付いて来るにつれてその正体が明らかになってくる。


チャリパイの四人は、口を大きく開けてその名前を叫んだ!





「ダチョウだああぁぁ~~っ!」



なんとダチョウである。しかも、一羽ではなく三羽である。


久しぶりに触れ合えるイベリコに、嬉しそうに躰を寄せてくる三羽のダチョウの背中を撫でながら、このダチョウの紹介をするイベリコ。


「このダチョウは私のペットです。
名前は『ヒゴー』『ジモン』『リューヘー』と言います」


「まるで、ダチョウ倶楽部みたいね……」


思わず子豚が呟いた。


「何ですか?ダチョウクラブって?」


勿論イベリコは、日本のお笑い芸人『ダチョウ倶楽部』の事など全く知らなかった。



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