ゆびきり
「たっくん!藍ちゃん!」

花火大会の会場に入ると
すぐにタケに発見された。


「タケ!あれ?横の子はだれ?」

タケの横には、可愛い女の子がいた。

「あれ?知らなかった?妹だよ」



「え!きみちゃん!?ぜんぜんわからなかった」

僕がきみちゃんを見るとペコリとお辞儀してくれた。
僕も笑顔で少し頭を下げた。


「可愛いだろ~!俺が着せて髪の毛もアップにしてやったんだ」

「え!お前すごいな!」

「家は両親共働きだから俺が毎朝支度してるんだ。これくらい出来るよ」


「すごいよ!今度藍にもやってね!」

藍ちゃんは尊敬の眼差しでタケをみた。



「おう!任せとけ!」

「じゃあ、また今度な!」


「おう!」



タケは妹と一緒に人の流れの中に入っていった。



「タケってあんなだけど良い奴だよな」

「たっちゃんがタケと仲良くしているのがよくわかるよ」


「うん。」




「あ!たっちゃん!イチゴアメあるよ!買って!」


藍ちゃんは、僕の手をグイッと引っ張った。

「わかったって!ちょっとまって」


これからは
藍ちゃんの本領発揮の場だ。


僕はあちらこちらに引っ張りまわされる。



それも楽しいけどね。



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