手に入れるためなら



「姉さん…」


いつも健気で優しい姉さん。


普通だったら、俺や親父を
恨むはずなのに……。


そんな姉さんが愛おしくて。


「姉さん、目を瞑って。
早く良くなるおまじないして
あげるから」


姉さんは不思議に思いながらも
目を瞑った。


俺は唇をゆっくりと姉さんの
ほっぺに近づけ―……



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