手に入れるためなら



それでも姉さんは笑った。


「晃が無事ならいいよ。
お父さんだっていつも
仕事頑張ってるんだから、
これくらい我慢しなきゃ
いけないでしょ?」


姉さんの顔や身体は
殴られて痣が出来ていて
惨めな姿だった。


でも、俺の中では姉さんは
一番綺麗だって思った。


そんな姉さんのことが
大好きだった。



< 24 / 32 >

この作品をシェア

pagetop