マジカル☆ジュエルス

でもどうして病院なんか。
もしかしたら家内が病気で入院でも
しているのだろうか。


「ひかり、どうする?」

「行く」

「言うと思ったわ」


何のためらいもなくひかりは
中に入っていく。





久しぶりに感じる病院独特の匂い。
思わず懐かしんでしまう。


「ひかり、もたもたしていると見失うわよ」


「はいはい」


何とかここまでバレずに来たのだから
きっと大丈夫だと思うが、油断は禁物。

もたもたしていると彼女に
本当にコテンパンにされてしまうだろう。

しかしひかりがやっていることは
勿論、覚悟の上だ。


彼女も階段を上り続け、
着いたところは病室だった。


小梅はガラガラと扉を開け、
中に入って行った。


そしてひかりもササッと扉の前まで
移動する。扉の前に書かれていたのは。


「“平岸 薫”……?」


「やっぱり家内の人なのね」


「ちょっとだけ見ちゃお」


「駄目よひかり!」


「ちょっとだけだから!」



ひかりは音を立てないよう
ソーッと扉を少しだけ開け、覗いてみる。

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