NIGHT MOON
数日が経ったある日。
朱里は社員食堂で環と
昼食をしながら話をしていた。



「彼とは会ってるの?」



「え」



「ほらこの前来た」



「夜月くんの事?」



「そうその彼よ」



「最近会ってないよ」



「朱里、残業多いもんね」



「彼も忙しい人だから」



昼食の箸を止めて
朱里は答える。



「そういえば彼って何してる人なの?見た感じサラリーマンって気はしないけど」



「うん」



「何だろう。業界人?何かの…」



「接客業かな」



「へぇ…どんな?」



「どんなって…そこまで突っ込み入れないでよ。困るじゃない」



「困る?どうして?」



「……環…誰にも言わない?」



「言わないよ。口が堅いって朱里も知ってるじゃない」



「彼ね…その…ホ、ホストなの」



朱里は小さな声で言う。
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