彼女とカノジョ
彼女は笑顔で私たちの元へやってきた。

『この子が噂の彼女?!すごく可愛いね』

彼女は笑顔でそう言った。

「そんな事ないって!それより三宅は、いま帰り?」

『そう!課長の愚痴に付き合わされちゃって』

「それは災難だったな」

拓ちゃんは私がいる事を忘れているかの様に、彼女と話していた。

「拓ちゃん!会社の人?」

そう私が聞くと、拓ちゃんはハッとして私の方を向いた。

「拓ちゃんって呼ぶなよ!彼女は三宅 咲。俺と同期なんだよ」

『初めまして。デートの邪魔しちゃって、ごめんなさい。私、そろそろ行くね』

彼女は笑顔で私に挨拶をした。私は綺麗な彼女にみとれてしまった。

「おぉ。また明日」

拓ちゃんのその言葉で我に返った私は彼女に笑顔で会釈した。

『うん、じゃあね。あっ…』

そう言って彼女は、私の元へ走り寄って来た。

そして、私の耳元で
『安藤くん、会社であなたの自慢よくしてるのよ。お幸せにね』
と言って笑顔で走り去って言った。

「三宅、なに言ってったんだよ?」

そう聞く拓ちゃんに私は
「秘密」
    と笑顔で答えた。


それが、彼女・三宅 咲との初めての出会いだった。
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