ヒロイン 完
だるいだるい、だるーい。


てか、話なげーよっ。


バーコード教頭、教頭のくせに出しゃばるな。つるりん校長を見習え。


お前30分!校長30秒だぞ!校長の面目丸潰れだよ!


それに、こっちはさっきからチクチクチクチク視線が刺さって痛いんだよ。


ほのかと千夏の視線が。


話しが終わって欲しいような、ほしくないよーな。


あ、終わっちゃった。


ダッシュで近付いて来た二人をサラリとかわして、だらだらと出口に向かう生徒たちに紛れ込んだ。


ホッと気を抜いた瞬間、背後から腕を掴まれる。



「……奈緒」


「……」



恭二だ。


気まずい気まずい、ちょー気まずい。



「な、何?」



生徒達の波に逆らうように足を止めた私達。


周りの痛い視線も気になるが今は目の前の人物と後から来た二人の視線に眩暈がする。



「お前、何であの人と……」


『キャアァアアアア!!』



恭二の言葉を遮り甲高い女達の黄色い叫び声が耳に届いた。
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