ヒロイン 完
暑い・・・



・・・暑い。




暑さを我慢しながらイヤホンから流れる音楽に集中する。



電車の中まで毎日同じ。


毎日同じ時間の電車に乗るのだから当たり前だけど。


何人か顔まで覚えてしまった。


流れてくる音楽が昨日と違うことが、せめてもの救い。




電車で三つ目の駅に私の通う高校はある。


幸い駅からは、そんなに遠くはない。



それでも燦々と降り注ぐ太陽の日差しには耐えられない。


早く学校に着きたい一心で足を動かした。


あ、駄目だ。


どうやら今日は、そんなに良い日ではないらしい。


むしろ最悪。


あの子が虎のバイクから下りるところと鉢合わせしてしまった。


あぁー、帰ろうかな。


てか、帰りたい。


帰してくれー。


学校をサボる勇気さえない私は心の中で自分を罵倒した。

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