桜の花びら舞う頃に
レジで支払いを終えた悠希と拓海は店を後にし、駐車場を歩いていく。



「あ、そうだ、パパ!」



不意に拓海が声をあげた。


「どうした?」

「あのね、先生の胸ね、ママとおんなじ感じがしたよ~!」


無邪気な拓海の言葉に、激しく慌てる悠希。


「バ、バカ、そういうことを大きな声で言うなって!」


思わず拓海の口を押さえ、辺りをキョロキョロと見回した。

幸いなことに、2人の会話を聞いていた者は誰もいなかったようだった。






━━━その時!






「キャ━━━ッ!!」





耳をつんざくような女性の悲鳴!




「あの声は……!」


「さくら先生だ!」




次の瞬間、2人は悲鳴の方へと走り出した。











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