桜の花びら舞う頃に
しかし、悠希は突如として不思議な感覚にとらわれた。




(この感覚どこかで……)




帰り道……



背負われて眠る拓海……



逃げる彼女……



それを追う悠希……



それらは悠希の中で一本の糸としてつながった。




(由梨の時の再現……)




「ダメだっ!」



悠希は叫んでいた。






その時━━━






悠希の視界に、こちらに迫り来る高級セダンの姿が見えた。

セダンは、かなりのスピードを出しているように見える。




「さくらちゃん!」




悠希は、叫びながら走り出した。










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