桜の花びら舞う頃に
何時間ほど寝ていたのだろう……



悠希は、部屋に響く呼び鈴の音で目が覚めた。



「誰か来たのか……?」



ゆっくりと身体を反転させる。

そして腕をつき、身体を起こそうとした。





その瞬間!





「!?」




腕に力が入らず、悠希はベッドの上に倒れ込んだ。




(な……なんだこれ……)




病状は、かなり悪化していた。


なおも呼び鈴を押す来客者。



「ちょっと、待って下さーい!」



悠希は、玄関に向かって声を上げた。





つもりが……





「ちょ……ま……さい」




悠希の喉からは、かすれた声しか出ない。




(声まで出なくなった!!)




そのことに、ショックを受ける悠希。

ここまで酷い風邪は、何年ぶりだろう。

最近の悠希の記憶には、まず無いものだった。

ベッドの上で、もがく悠希。

そうこうしているうちに、来客者の足音は遠ざかっていった。







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