桜の花びら舞う頃に
しばらく通路を歩いたエリカは、角部屋の扉の前でその足を止めた。


ゆっくりとした動きで、腕に下げたハンドバッグの中から財布を取り出す。


ややあって、財布の中からカードを取り出した。


そのカードを鍵として、エリカは玄関の扉を開く。






広い玄関の奥に広がる4LDKの部屋。


エリカは、その一室を目指し歩く。


温かな木目調の扉を開いた先。


そこは、大きなベッドが部屋の真ん中に置いてある寝室だった。


エリカはドレス姿のまま、広いベッドにうつ伏せで倒れ込む。




しばしの沈黙の後。



「はぁ……」



身体を返し、仰向けになりながら、エリカは再びため息をついた。










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