−*初カレ*−
―優哉side―


姫華と瀧野が教室を出ていった。




あれから姫華と一言も話していない。




どうしてこうなってしまったんだろう……




全部俺のせいだ。




俺は1週間ずっと姫華に避けられながらも、メールは毎日送っている。




でも1度もメールは返ってこない。




いつも携帯の画面を見つめていて、他に何も手につかない。




「―…くん。」




姫華……




「岡野くんッ」


「あ…ごめん。」




西山と話してたんだ。




ダメだな…俺。




最近ボーっとしてる。




「大丈夫?」


「え?」


「上の空だったよ。」


「……。」




西山は憂色を浮かべ、前の席を俺に向けて座った。




「姫華ちゃんと何かあった?」


「え……。」




なんで知ってるんだ?




「なんでって顔してるけど、みんな気付いてると思うよ?」




みんな…?




クラスのみんなってことか?




「いつも2人仲良かったのに、ここ1週間口きいてなかったら普通気付くよね。喧嘩したって。」




みんな気付いてたって……かなり恥ずかしいじゃないか。




俺はチラッと周りを見渡した。




遠目に俺のことを見るみんな。
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