天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜
第6章

‐一時の平穏‐

定時になり、俺は周りに「お先〜」と声を掛けて職場を飛び出した。


普段は周りの目が気になり、用事でもない限り定時に上がる度胸のない小心な俺だけど、今夜は麻衣ちゃんと会うという、俺にとっては超大事な用事があるから、周りの目なんか気にしない。


上司の片桐チーフが不在、っていうのも幸いだったけどね。


外はまだ明るく、朝から降っていた雨は止んでいて、梅雨にしては空気が爽やかな気がする。


よっしゃーっ


折りたたみの傘を鞄に仕舞い、俺は軽い足取りで、駅へと向かって行った。


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