天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜
「もう、翔ちゃん驚きすぎ」


いやいや、驚くでしょう、ふつう。


「あの……、赤ちゃんの父親って、もしかして……」


「決まってるでしょ? 翔ちゃんよ」


俺は一瞬で、さーっと血の気が引いて行くのを感じた。


「黙っていようかとも思ったんだけど、翔ちゃんには知る権利があると思ったの」


片桐チーフの声が、随分遠くに聞こえる。


「自分の血を分けた子供が生まれてたって、後になって知ったら嫌でしょ?」


なんだろう。片桐チーフの声は聞こえてるのに、脳がそれを拒んでる感じだ。

ああ、なんか目の前がぐらぐらする。地震かなあ……


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