天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜
「翔平さん。私はこの人達と遊びたいんだから放っておいてください。私を捨てたくせに……」


そう言って麻衣ちゃんは俺の腕から離れ、リーダー格の腕に手を絡めた。


「麻衣ちゃん?」


「ハハハ、そういう事だ。今ので勘弁してやるから、とっととお家に帰んな。この、オンナオトコ」


リーダー格が言った“オンナオトコ”にも腹が立ったが、麻衣ちゃんの言葉の方が遥かにショックだった。


麻衣ちゃんは、涙をいっぱい溜めた目で俺を見ながら、「早く行ってよ!」と言った。


その瞬間、俺は理解した。

麻衣ちゃんは、自分の身を犠牲にして、俺を逃がそうとしている事に……


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