2m彼氏。

「おい爽ぉ、傘貸してやれよ」

「あっ、うん!…樋口さん」

傘立ての中から一本、
昔おじいちゃんが使っていた傘を出した。

「イヤ…近いし……」

「遠慮すんな!!
また今度返しにくりゃぁいいだろ?」

「………じゃあ………今日だけ。」

「おうよ」

樋口さんは軽く会釈して
雨の中を歩いていった。


「………で?」
お兄ちゃんが腕を組む。

「え?」

「アレのどこが気にいった?」

「なっ、ばっ!」

「まぁ、顔は良かったしな!
わからんでもない!」
1人でうんうん、と頷く。

「お兄ちゃん、やめてよ(恥)」

「いいじゃないかぁ~また来るんだし」

「…っ」

まさか

さっきの「傘を貸す」っていうのは
お兄ちゃんの策略???

「雨ふってるの、気づいてた…?」

「ふふふ…洗濯物はアウトだった!
まぁ明日があるさ!爽にもな!」

わけのわからない開き直り。


「…明日も来るなんてわかんないじゃん」

「おぉ?来る?なになに?何が??」

完全にからかわれてる、あたし。
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