一番近くの君へ。
「一ノ瀬さん、」
「は、はいっ!」
焦っているあたしを見て西藤せんぱいはまたクスッと笑いながら言ったんだ。
「もしよかったら、週末、僕とデートしてくれないかな?」
で、デート…?
あたしは頬を摘んでみる。
だけど、それはすごく痛くて。
今のこの現状を現実なんだって実感する。
「ダメかな?」
首を傾げてそう言った西藤せんぱいにあたしはブンブンと首を横に振った。
「それじゃあ、決まりね?」
嬉しそうに西藤せんぱいは笑う。
西藤せんぱいとデート…
西藤せんぱいとデート
…あたし、西藤せんぱいとデートするんだ。