一番近くの君へ。



バスケ部の西藤とかいう先輩と、ハナがデートするって噂は全校生徒の耳にすぐに入った。



もちろん、俺の耳にも。



ハナは浮かれた様子でマンションのエントランスまでスキップしてくる。



…たく、ガキじゃねーんだぞ?



「孝ちゃん?」



ハナは俺に気づいたらしくスキップをやめてから近づいてくる。



「機嫌よさそうだな?」



俺がそう言うとハナはにこっと笑って頷く。



「西藤せんぱいとデートするんだもん!」



「ふーん。」



俺がそっけなくしたらいつも腹を立てて怒るくせに今日のハナは怒らなかった。






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