やっぱり…


「助けて〜」


わたしは声にならない声で叫んでいた。


すると、


ガタガタ…


ドアを開けようとしている音が聞こえた。


「だれだよ。邪魔しやがって!」


そう言った優樹哉先輩は


わたしから体を離しドアへと向かった。


膝から崩れ落ちるわたし


仕方なく鍵をあける優樹哉先輩


『夢優ちゃん!』

『夢優?』


和也先輩と美夏が助けにきてくれた。


震えながら泣き崩れるわたし


そんなわたしを見て和也先輩は、


『音楽室に春がいるから3人で泣きたい分泣いてきな』


って。わたしのかわりに美夏が答える


『ありがとう。』


そうしてわたしは美夏に支えながら音楽室へと向かった。


まだ明るい空に浮かび上がる月が心配そうにわたしたちを見つめていた。


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