ねぇ、こんな怖い話知ってる…?
これは、ワタシが実際に体験した話です。
あの日は、まだ4月だったのにも関わらず、とてもムシムシしていた。
空では雷がゴロゴロと呻(うめ)いた。
「ねぇ、ガードレールマンって知ってる?」
「ガードレールマン?何それ?」
「部活の先輩に聞いた話なんだけどね……。」
ワタシの友達はガードレールマンについて、語り始めた。
「何でもない、普通のガードレールに現れるらしいんだけど、15歳から25歳ぐらいの男の人が、ガードレールを飛び越えるんだって。」
「は?普通じゃない?」
最初は、何を言ってるのか、よく理解が出来なかった。
「普通、ドラマとかで男の子が、ガードレールを飛び越えるのは、手をガードレールに付いて、片足ずつ飛び越えるでしょ?」
「うん。」
「だけど、ガードレールマンは、手も使わずに、真っ正面から両足で飛び越えるんだって。」
「はい?」
話を聞いても、いまいち理解出来なかった。
手を使わず、両足で飛ぶ?
そんなことしたら、爪先(つまさき)が引っ掛かって、転ぶのがオチじゃないか。
「転ばないの?」
「それがね、絶対に転ばないんだって。」
「なんで?」
「その人の爪先(つまさき)は、ガードレールから30センチも上らしいよ。」
「アハハ!!ジャンプ力、ハンパないじゃん!!」
ワタシは冗談半分で聞いていた。
だが、この後、信じられないことが起こったのだ。