夢と恋と王子様

ひろい背中





すやすやと寝息をたて、
いつの間にか寝てしまった王子。

ドキドキして戻ってきたというのに
これじゃまるで
自分だけ舞い上がっているようで

本当に


私ばかりがエッチみたいだ。




起こさないように
そっとベッドへ入った。



いまだに治まらぬドキドキで
眠気はこれっぽっちもない。




まじまじと王子の寝顔を見ると
案外幼い顔立ちでとても可愛い。

綺麗に通った鼻筋も
整った形の唇も
羨ましいほど長いまつげも


今しか見れないのでは、
と思い瞬きも忘れて
王子の顔を見つめていた。




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