青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―

疑念を抱きながら、俺はヨウと一緒に襖を枠から外した。


と、同時にドッと何かが襖に重みが。


ズルッと重みは襖を滑って畳に落ちた。


ギョッと驚く俺とヨウはつい後退りしてしまう。



「ヨ、ヨヨヨヨウ! なんか、なんか落ちてきた! 祟りっ、勝手に入った祟りかぁああ?!」

「ば、馬鹿! そんなわけねぇだろうが! 多分これが開かなくなったげんい…ん…、しず?」
 

畳の上に転がっているモノは物でなく、者、だった。



四肢を投げ出し、死人のような顔を作って瞼を下ろしているシズに俺達は絶句。



思考停止が刹那の間あったけれど、




「うぎゃぁああああヨウゥウウウ! し、シズが、し、死体でっ、死体でぇええ?!」


「ば、馬鹿怖いこと言うなってっ! お、おおおおいシズっ! シズ―――ッ!」

 


息を吹き返したかのように舎兄弟大パニック。

だって考えてみろよっ、幽霊が出るらしいアパートの一室で、部屋は無人、電気も点かない。



しかも押入れが開かないから、無理やり襖を取ってみた、ら、探していたシズが押入れから転がり滑ってきた。


もう大パニックどころじゃない。

生きた心地がしないィイイイ!


「し、シズがっ、起きないっ。そんな五日前は生きてたじゃないかぁあ!」

「だ、だから怖いこと言うなってケイッ!」

 
アパートの迷惑も顧みず、俺達はギャーギャー騒ぎながら畳に転がっているシズを運び出したのだった。

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