青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―


「キヨタを中心にさせたいところなんだけど。ヨウ。女子だけで尾行をさせるのは危険だし、矢島は剣道の級所持者だ。
あいつはヨウの懐に易々入って拳を食らわした男だった。
間合いも速かったし喧嘩も強い。いざって時一番に対抗できるのは、キヨタだと思う」
 
 
過去に一度だけ矢島とヨウはやりあっている。

あの時は成り行きで矢島が負けちまったけど、真剣にやりあったら一体どうなっていたことか。

苦戦していたヨウを思い出し、俺は声を窄める。

ヨウが弱いってわけじゃない。


だけどヨウ独自の喧嘩法と剣道の基礎を固めている矢島じゃ明確な差が出てくる。

剣道をして一番ナニが高められるかって、俺的には洞察力だと思っている。

あいつは相手の動きを捉え、読むことが長けている。それはきっとヨウ以上。


だったら俺は合気道によって動きの基盤が出来上がっているキヨタを軸にしたい。

「お前ならやってくれるだろ?」

俺の問い掛けに、

「もちっす! ケイさんのために頑張るっス!」

目を輝かせてくるキヨタだけど、俺じゃなくてチームのために頑張れってくれよ!

いや嬉しいんだけどね!
俺のためとか超嬉しいんだけどね!
 

「ちょっと待てケイ。キヨタを安易に使うのは本意じゃねえ。キヨタはチームの“切り札”だ。尾行している際は後衛にいて欲しいんだよ。なるべく喧嘩メインで使いたい」
 

ストップを掛けたヨウはこう物申した。

相手は不良狩りをしているいけ好かないインテリグループ。

矢島を契機に芋づる方式で相手を引きずり出してやりたい。


感情を込めて吐き捨てるヨウは、「キヨタはチームの切り札だ」簡単に使えないと断言する。


なるほどなぁ、それは分かる。

けど矢島の尾行は危険だ。それなりの手腕を持つ奴じゃないともし相手にばれた時、どうするんだよ。女子達を使う案には否定的だぞ、俺。

かといってヨウやワタルさんじゃ目立つし(ケッ。イケメソは目立ちますよね! 俺も目立ってみてぇよケッ。ケッ!)。


ストーキングなんて最初から無理なんじゃ。大体のメンバーが矢島に顔を割られているわけだし。


「変装って言ってもなぁ。高校生の俺達ができるもんか?」


「できる!」ヨウは言う。

重要なのは相手にバレないことだ。
つまり、バレないよう姿を変えればいい!
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