青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
ちなみにどういうやり方っていうと、その謎は放課後に解けることだろう。
つまらない授業を終えた俺達は廊下に出ると、和気藹々と会話を交わしながら昇降口に向かう。
途中で他クラス・学年のメンバーと合流し、今日の日程について談笑。
今日は何するっぴ? 僕ちゃーんゲーセンで息抜きしたい。
あ、オレも行きたいです。
俺はパス、シズと約束あっから。
ごめーん私とハジメもパス。
デートッスか! あ…、俺っちも今日は先約があって。
俺もココロとデートなんだぁ。
みーんな付き合い悪いっぴゅーん! いいもんいいもんモトちゃーんとおデートしてやるんだから! モトちゃんをお持ち帰りしてやるぅう!
うっわ、オレお持ち帰りは拒絶しますけど!
誰がどの台詞なのかなんて気にもならない。
ただただ何気ない会話を交わし、俺達は正門でひとり、分かれ道で一組、更に大通りで全員が別れて行動する。
携帯を弄りながら歩いていた俺は駅前で待ち合わせしているココロと落ち合い、おてて繋いでぶーらぶらーぶらぶ。
出店のアイスクリーム屋を見つけたから、それを買って食べようと赴く。
彼女が二段重ねにするかどうか迷っていたから、二人で食べようかと断を下し、カップ入りで二段重ねにしてもらった。
味はストロベリーとレモン。フルーツ系で揃えてみる。
そしたら気前の良いお姉さんが、上にマスカット味のアイスをのせてサービスしてくれた。
こうして三段重ねのアイスを駅広場のベンチで食べることになった俺達は、崩れないよう注意を払いながらプラスチックのスプーンで突き合う。
「美味しいですね」
「なー?」
傍から見たら絶対にクソ甘いカップルにしか見えないであろう俺達。
いや正真正銘のカップルなんだけどさ!
スプーンでアイスを掬うココロは、
「ケイさんとデートできるようになって嬉しいです」
頬を崩してはにかんでくる。
「心配掛けたもんな」微苦笑を零す俺に、「ケイさんのせいじゃないですよ」ケイさんは何も悪いことしてないんですもの。
「元気になったケイさんが隣にいてくれて、本当に嬉しいんです。幸せです」
元気になって良かったとココロは一笑した。
一笑を返した刹那、何処からともなく嘘でしょ、と頓狂な声音が。