一途に IYOU〜背伸びのキス〜
いざ、決戦!



椋ちゃんのためならなんでもするし、なんでも我慢する。
椋ちゃんが落ち込むならその元凶を取り除いてあげたい。
あたしにできる術、全部を使って。

これはあたしの戦いだ。

椋ちゃんに意地悪なんてさせない。
どんな事してでもあたしが先生の性格を叩き直してやる。


「――で、俺に文句でも言いにきたのか」


今日は、最後の料理教室の日だ。
だからきちんと料理を作りたかったけれど、この間の事がある以上そういうわけにもいかない。

仲良く並んで料理なんか作ってて万が一何かされたりしたら、椋ちゃんの悩み事をまたひとつ増やす事になっちゃうから。

先生がどういう意味合いであたしにちょっかい出してくるのかは分からないけど、警戒するに越した事はない。

うぬぼれてるって笑われたって、椋ちゃんさえ守れればそんなのどうでもいい。
例え先生に、自意識過剰のバカ女って思われたって痛くもかゆくもないんだから。

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