硝子の破片

春樹Side

かつては兄貴と呼んでいた男、敦賀正樹の醜態が、春樹の脳裏に蘇る。


菜々子の裸を目の当たりにし、正樹は春樹に向かって『オマエは最低な奴だ』と罵声を浴びせながら、股間を膨らませていたのだ。


それを指摘してやると、あの男は顔を真っ赤に紅潮させ、殴りかかってきた。


菜々子は泣き叫び、『これはレイプじゃない』と春樹を庇うようにした。


正樹が主張した通り、あれはレイプだった。


菜々子は処女で、可哀相なぐらいに身体を震わせていた。


しかしそういった様子は春樹の欲情を誘うだけで、歯止めにはならなかった。
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