HAPPY RING
 そうして強引に電話を切った。

「ごめんね和沙。お母さんとお父さんが」

「いいよ。お父さんの心配もわかるし」

 そうしてあたしは軽く波打ち際まで行きパシャっと跳ねた。

「きゃっ…!まだ冷たいねっ!でも気持ち~!」

「服濡れるぞ!」

 きゃっきゃっとはしゃぐあたしを横目で見て笑う和沙。
 1歳差なのに…。
 こんなにも違う。

「サンダル濡れちゃったかも…。ちょっと乾かさなきゃ!」

 せっかくのおニューのサンダルが…。
 ま、乾くかな…。

「そんなサンダル濡れたくらいで落ち込むなよ!そんなさ、優は飾らなくてもかわいいんだからよ!」

 その一言であたしはかぁっとなる。
 なんで和沙にかわいいって言われると恥ずかしいのかな…。

 恋してるからなの?
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