文系男子のその後。

短く息を吐いて、背筋を伸ばした。
目の前の男が、瞼を閉じる。

俺を突き動かすのは、衝動しか無くて、ゆっくりと抜刀して、鞘を下に落とすと、上段に構えた。


「……何処をやれば良い」


「好きな様に斬れ」


「父親の何処を斬った」


「……上手く斬るのは難しいと言ったろう」


「お前、」


「背中から一突き、その後首の動脈を切って介錯した」


「もういい」


「お前は、」


「うっせえ黙れ!」


金属の擦れる音がした。
刃が太陽の光を照り返し、木の床に反射する。
目を瞑っていた加藤が、ゆっくりと目を開き、俺を見上げる。


「俺、なんだかんだで父親の事、好きらしいな」


自虐に近い言葉が口をついて出て、俺は嘲笑う。


「……あの人は、皆に好かれてたさ」


遠くを見つめる加藤も、優しげに笑う。


俺が握りを直すと、加藤はまた目を瞑って、口を閉じた。




「だめ!!」




< 14 / 17 >

この作品をシェア

pagetop