いとしのポテトボーイ
だけど初めから、謝って「ハイそうですか」と解放してくれる先輩でないことも分かっていた。
リンチを受けることは想像していた。
でもそれは安土クンたちの世界では日常茶飯事的なことらしくて、どれだけか痛めつけられればそれで許してくれると思っていた。

そう、安土クンはそう思っていた。
 
だけど奈良岡クンは死んでしまった。

素直に謝る奈良岡クンのこと、等々力センパイはメッタ打ちにした。

どうして?

どうして等々力センパイはこんなことになるまで・・・・・・

そんなに奈良岡クンが憎かった? 

彼女を殺したから? 

それとも彼女が奈良岡クンのこと好きだったから? 

だからって。

悲し過ぎる。

ひど過ぎる。

そんな人がサッカーをやっていたなんて、スポーツマンの風上にも置けない。
 
等々力センパイは警察の追っ手を逃れて姿を消したという話。
どこまでも腐った人間。

卑怯者。
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