あの日の僕は。



会場は小さく見えるが、歓声がここまで聞こえてきた。


海里の家はここからそこそこな距離。


行けないこともない。



時間もあるにはあるから説得するとピッタリな時間になるか。





今から海里ん家に行って親に来てくれるよう説得する。


……余計なお世話かな。


いや、いい。


これが僕の意志だ。


だんだんと歩調が速くなってくる。


僕の頭の中には、海里の家のことしかなかった。



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