あの日の僕は。



「かまってくれてないの?」


『その表現はガキっぽいけど……まぁ、そんたとこ』


平然と話す海里。


子供に興味を示さない親なんているのか。


少し、試してみたくなってきたな。


「じゃ、また連絡する」


海里の返事を聞かず電話を切った。


早速階段を下り、リビングへ行ってみた。


海里の母はテレビを見ながら雑誌を開いている。


「母さん」


「…………」


やはり無視。


……もう一度。



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