《致死ノベル》


タネの明かされたマジックは驚きが半減するように、恐ろしさも軽減されると思ったのに。

なんでこんなにも。私は何に怯えているのだろう。

夜の暗闇が怖いのかと、電気をつけたまま寝てみたけれど、効果はなかった。

起きていれば恐怖はない。だが寝ないわけにはいかない。

わからないから怖い。
何が恐ろしいと心に訴えかけてくるのかがわかれば、また違うだろうに。

あの作品に怖いことなんてなかった筈なのだが、『死』のイメージはあの作品からとしか思えない。

作者の意図をつまびらかにさせるしかないのだろうか。

なにか、どこかにヒントがないだろうか……

藁にも縋る思いで私はケータイを掴み、サーチエンジンを開いた。


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