14日の憂鬱
教室の喧騒が一気に静まり、みんな呆然と二人を見ている。


「え…何で…」


「馬鹿じゃないのっ?!あんた、告白してきた子の気持ちも考えずに、どーしてそんなべらべらとしゃべるわけっ?!!」





奈津子ちゃんのすぐ近くには、悲しそうな表情の女の子が一人佇んでいた。


見たことがあるその子は、サトケンのクラスのさらに隣の女の子だった。




よく奈津子ちゃんと一緒に居るのを目にした。




もしかして、その女の子がサトケンに告白した子?




だとしたら……



「いいよっなっちゃん…!サトケン、気にしないでっ」






その女の子は奈津子ちゃんの腕を引っ張り、怒りを静めようとしているようだった。



けれど顔は明らかに無理して笑っている。



「けどっ…」


「いいの。…あの、サトケン、返事はいつでもいいからね」






本当は怒りたいのかもしれない。泣きたいのかもしれない。




その子は懸命に笑顔で、二人をなだめていた。

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