14日の憂鬱
14日の放課後

キスの後遺症

「……ァ。ハァハァ」



一気に部室から教室へと走り続けて、日ごろの運動不足のせいですぐに体がヘタった。



それでも私は足を止めない。






永井。




あの時みたく、また私のこと置いていくの?





私だけ、また永井に付いていけないまま。




教室まであと少しの所で、教室の扉がガラガラ…と開かれた。




その音に前を向きなおすと、女の子が一人走ってきた。


あ、この子。さっき部員の一人が言っていた「宮田さん」






一瞬、私のことを見ると、再び駆けていった。



あの子……泣いてた。




私はそこからゆっくりと教室へと向かい、開かれたままのその扉に手をかける。



入り口から見えたのは、以前見たような光景。



永井が一人、窓際の机に腰掛けていた。




あの時と違うのは、窓の外が西日ではなく雪がはらはらと降っていた。




私の気配に気づいたのか、永井が私の方を向く。



「……佐藤」


私の姿に心底驚いて、永井は目を丸くした。



「何でお前、ここに…」






「永井っ」

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